湿疹・皮膚科

じんましん湿疹やかぶれで皮膚科外来を受診する患者さんは全体の1~2割を占めると言われています。湿疹やかぶれの主な原因は、実に様々で中には原因不明なものもありますが、主に皮膚のバリア機能が外部からの刺激に負けたことによると考えられています。また、体質や体調、ストレス、寝不足などで症状が悪化することもあるため、病院を受診してもなかなか症状が改善しない場合は、日常生活を見直す必要もあります。
通常、湿疹やかぶれは外用剤を1週間程度使い続けると改善しますが、皮膚がガサガサして症状が慢性化すると改善するのに時間がかかることもあります。保湿剤で肌のバリア機能を回復させながら根気強く治療を続けることで完治を目指します。


皮膚炎(かぶれ)

かぶれを起こしやすいものには、毛染め、化粧品、ピアス、金属製の時計などの日用品や、マンゴー、うるし、毛虫、草花、ほこりなど自然界のもの、プールに入っている塩素、洗剤、セメント、ゴム手袋などの職業上ふれる機会の多いものなど様々なものが挙げられます。
一度かぶれてしまうとアレルギー反応を起こして再発を繰り返すことがあるため、治療はまず原因物質との接触を避けたり防御することが大切になります。かぶれが長期に渡る場合は、皮膚が非常にデリケートになっており、治療に使う軟膏でさえもかぶれてしまうことがあるため、注意が必要です。

かぶれはよくある皮膚疾患のひとつですが、患者さん本人が原因に気づかず、再発を繰り返してしまうケースが多いようです。例えば、プールに入った、シャンプーをかえた、掃除をした、カットバンを貼っていたなど、日常生活において最近ちょっとした変化があったかどうかを振り返ることで原因を特定していきます。ただし、原因が特定できずなかなか治らずに再発を繰り返す難治性の湿疹の場合は、単なるかぶれではないこともあるため、皮膚の生体検査をしてアレルギー源を特定することもあります。予めご了承ください。

刺激により出来やすい部位別皮膚炎

◆頭部・顔面、頸部

〈頭皮湿疹〉
頭皮の湿疹は、脂漏性湿疹と間違われやすい傾向がありますが、特に乾燥肌の方は通常の湿疹であるケースが多いようです。症状は、頭皮の赤みや痒みの他、カサカサしたり白いふけを伴うこともあります。

〈眼瞼皮膚炎〉
瞼の皮膚は人の体の中で一番薄くデリケートな部分です。また、汗や涙、ホコリ、女性の場合はアイメイクなどにより負担がかかりやすいため、カサカサしたり痒みが続くなど、慢性化しやすい傾向があります。

〈口唇炎、口角炎〉
瞼と同じように 、口の周囲は日常生活において刺激が加わりやすく、症状が慢性化しやすい部分です。特に口角の湿疹が慢性化して、口や唇を動かすたびにひび割れしたりジクジクする症状を、口角炎と言います。

〈ビダール苔癬〉
一般的に襟のすれや髪の毛の刺激、汗、日光などの刺激により、側頸部から首の後側にかけて生じやすい、慢性的な湿疹をビダール苔癬と言います。強い痒みがあるため、かくことが刺激となり発疹と発疹がくっつき合って大きくなり、広がっていきます。女性に多く見られます。

その他、額の髪の生え際や耳介の前後、外耳道、頬、首の全面などが湿疹のできやすい部位となります。

◆手・上肢

〈敏感肌性の湿疹変化〉
敏感肌性の湿疹が挙げられます。首や手の甲、手首の内側、肘や膝の内側など、皮膚が柔らかい場所にでき、主な原因として汗や衣服による擦れ、洗いすぎといった皮膚への刺激が挙げられます。軽度のアトピーの患者に多く見られ、同じ部位を慢性的にかきむしると慢性湿疹に移行しやすくくなります。慢性湿疹に移行すると治るのに時間がかかってしまうため、注意が必要です。湿疹が出たらかきむしらず、症状が悪化する前になるべく早く病院を受診するようにしましょう。

◆躯幹、臀・陰部

〈胸背型の湿疹〉
胸部正中と背中には脂腺が多いため、湿疹やニキビ、毛包炎など皮膚のトラブルが起こりやすい部位です。アトピー性皮膚炎の方の中には、胸背部に慢性化した湿疹ができやすい体質の方もいるようです。

〈ナイロンタオル皮膚炎〉
背中の上部から肩にかけてできやすい傾向があります。長年、入浴の際にナイロンタオルで洗いすぎたりこすり過ぎたりすることにより、皮膚が黒ずんだり毛穴が炎症を起こし、湿疹がプツプツと目立つようになってきます。痒みや痛みはありません。治療と並行してナイロンタオルの使用を中止し、適切な洗い方に変えることで改善していきます。

〈汗、こすれによる刺激性の湿疹〉
腰や腹、脇などにできやすく、長時間座ることの多い事務職の方やタクシードライバー、バスの運転手さんなどが発症しやすい傾向があります。ズボンなどが擦れる刺激により、背中や腰部、腰回りなどにカサカサやプツプツとした湿疹ができることが多いです。

〈陰嚢部湿疹〉
陰部もこすれたり汗などの刺激によって刺激性の湿疹ができることがあります。また、陰部は衣服でこすれやすい部位であるため、一度できると慢性化しやすい傾向があります。治療と並行して、下着をこまめに替えたり、素材を変えるなどの工夫も必要です。

◆足・下肢

〈貨幣状湿疹〉
膝からくるぶしの部分や太ももにできやすい貨幣状湿疹膝が挙げられます。貨幣状湿疹の主な原因は、肌の乾燥です。肌が乾燥している状態でストーブやこたつなどによりさらに乾燥させたり、ズボンで擦れたり、洗いすぎることで痒みが助長されます。炎症を起こす度に皮膚をかきむしることを繰り返して炎症が慢性化していくと、やがて皮膚は強く乾燥し、像の肌のようにゴワゴワに硬く厚くなった状態(苔癬化:たいせんか)となります。

自家感作性皮膚炎

膝からくるぶしの部分などにできる貨幣状湿疹等の慢性化した湿疹を放置したりかきむしったりすると、湿疹が悪化してジクジクになり、リンパ液が出てくることがあります。人間の体は不思議なもので、一か所でも酷い湿疹ができるとそれをきっかけに一気にアレルギー反応が起こり、痒みの強い発疹が全身に広がることがあります。まず、きっかけとなった湿疹をしっかりと治すことが大切です。難治性の場合はステロイドの内服を行うこともあります。